新たな章の始まり
約三年間イタリアのシチリアでの声楽研修を終え帰国し、
研修期間中は現地の方は勿論のこと、両親を始め、家族、 パートナー、 日本にいらっしゃる方々からの沢山の応援に助けて頂きました。 この場をお借りして皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います 。本当にいつもありがとうございます。
一種の憧れをヨーロッパに抱きヨーロッパにて活躍することを願っ ていた私でしたが、 どこにいても追求出来る新たな音楽性の存在を知り、 自分流の追求の仕方を見つけられたことが、 私の声楽の道の方向を広げてくれました。と言いますのも、表現技術の一つとしての発声に関しては、 イタリアにいるG師の忍耐によるレッスンや現地での本番経験によ り、革新的な価値観の変化がありました。 G師はイタリア人には珍しく、 感覚的だけでなく精神的にも論理的にも、 色々なことを通して私に示し問うて下さいました。
勿論先生は世界中で歌っている一流の歌い手であり、 イタリア人であるからして、受け手の理解力の問題やコミュニケーションの難しさはありましたが、 私は幸運にも、イタリアに行くまでの期間、 日本にいるK師のもとで日々変わっていく身体や脳や心の変化に対 し、若い年齢で表現技術を完璧にすることは容易ではないことと、 それらにいかに向き合っていくか、 外国人からの学び方や教える立場になった時のことも意識しながら声楽の道の進み方を学び、考える癖はつけるよう鍛えて下さっていたことが非常に助けとなりました。( まだまだ考えが甘かったり、ずれていることは山程ありますが…) また、先生の奥様や友人、 同志に恵まれたことも非常に重要であったと思います。
その甲斐もあり、私の音楽の核になっている”何か”に出会え、 今度はその何かをいかに育てるかという課題が自分に与えられまし た。(何かについてはいつかお話したいと思います)
それに対して私が選んだ道は、異なる文化に戻り、 より音楽の真意を解いていくことと共に自分自身と向きあっていく ことを続けていくことであり、 成長を促す為に新しい環境に身を置くことでした。
これまでを以下のようにわけるなら、
1. 声楽の道に足を入れたばかりの時代
2.浪人時代
3.大学時代
4.イタリア研修時代、
とし、これからは
5.日本を拠点としての音楽活動
という新たな章の始まりになりますと同時に、 本格的にプロとしての自覚を持った音楽活動の始まりであります。
私の尊敬するオペラ歌手Alfredo Krausの
「歌うことは容易い、いや、しかし非常に難しい」
という言葉と共に、決して奢ることなく、 いかにお客様に伝えられるかを追求していきたいと記事を書きなが ら思っている今であります。本当に歌は追求すればする程難しくなっていってしまうものです。 それが人としての成長も与えてくれるのですが…
最後まで読んで頂きありがとうございました。